ほんとうの贅沢 吉沢久子(その1)
(アカシアの花。天ぷらにするとほんのり甘い)
吉沢久子さんの「ほんとうの贅沢」(あさ出版 2015年発行)を読んでいる。今年98歳、女性が働くことがごく珍しかった時代に15歳から仕事をはじめ、いろいろな職を経たのちに、家庭生活を支えながら生活評論家として活躍した。
『老いてこそ自分の足で立ちたい。人によりかからず、自分らしくいたい。』という姿勢がとてもすがすがしく、心のありように尊敬の気持ちをいだく。
人は人、自分は自分。幸せはいろいろな形がある・・・。けして押しつけることなく、でも、自分で考えて自分で行動に移せることがいちばんの幸せ、と穏やかに語り掛けてくるこの著書は、心の落ち着きと勇気を与えてくれる。心に響いたポイントを覚書。
人の「どこ」を見るべきか
人の悪いところなんて、三つの子どもでもわかる。
意地悪な人とか、妙な格好をしている人とか、一目見れば子供だってすぐにおかしいとわかるだろう。
でも、人のいいところは大人じゃなきゃ見抜けない。
だから、いいところを見た方がいい。
そのほうが自分の心の養いになる。
私は夫からよくそう言われました。(中略)
とくに歳をとると、人の優しさに触れる機会が増えてくるものです。
ただそれに気づくためには、人のいい面を見ようとアンテナを張っておくことが大切です。(中略)
相手のためを考えて、相手のために行動できる。
それが過不足なく、ちょうどいい塩梅である。
これば当たり前にできたらとても素敵です。
こうした優しさに振れるたびに、「自分も誰かに同じように優しくしてあげよう」という気持ちにもなります。
つきあいが長くなると、どうしても相手に気になる点がでてきて、だんだんその点ばかりに気持ちが囚われて、いつしかその人自身を退けてしまう気味がある。
”相手の素晴しいところに気がつくアンテナ”を張って、豊かな人間関係を育めるようになれたらいい。
(その2)に続きます。
価格:1,404円 |