Climb every mountain

大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

3週連続、上越の山へ 平ヶ岳

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梅雨の天候で判断に悩んだが、予定通り上越の山へ。
平ヶ岳は大らかな山容と無数に広がる池塘高山植物の豊かさで有名な日本百名山の一座。『百名山中、日帰りで登るには最もタフ』と言われるロングルート、鷹ノ巣尾根コースが定番だが、今回は贅沢にも”プリンス コース”、中ノ岐林道からの往復ルートをとる。銀山平に宿泊した者にのみ許される登山口までの送迎のおかげで、コースタイムがかなり縮小できる。

朝4時に宿のバンに乗り込み、登山口まで1時間少々のドライブ。奥只見湖につながる中ノ岐川沿いの細い林道はカーブの連続で、川側にはときどきはっとするような沢床が、山側には大小の沢がが現れる。
登山口から約2時間の急登がこのコース一番の難所。雨も心配されていたが、雲は次第に薄くなり樹林帯に日が差し込んでくる。標高差750mを登り切ると、ここから山頂まではゆるゆるとしたアップダウンとなり、今までの急登がまるで嘘のような、穏やかな風景に切り替わる。

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(玉子石と池塘

ひろびろとした緑の中に池塘がぽつりぽつり点在し、木道がすうっと一本の筋を作る。足元には数々の花。白く揺れるワタスゲ、モミジカラマツ、ピンクのサラサドウダンツルコケモモハクサンフウロ、薄紫のフデリンドウ、オレンジのニッコウキスゲ、花の終わったチングルマの綿毛・・。ゆっくりゆっくり散策を楽しむ。

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ワタスゲ

頂上(といっても平らです)をやり過ごし、もう少し奥の最高点(2141m)まで足をのばすと、雲が吹き飛ばされ、青い空が見えてきた。見渡せば、北には先週登った八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳。南には燧岳、上州武尊岳。山のシルエットは幾重にも重なり、レースのような濃淡を見せている。友がコーヒーを淹れてくれ、しばしこの楽園に身をゆだねる。

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名残を惜しみつつ下山を開始するといきなり大粒の雨!その後は黙々と道を引き返す。行きに苦労した急登は、帰りもドロドロの急坂となって登山者を苦しめる。登山口に帰り着いた頃には手も足も雨具も泥だらけ。再び太陽が顔を出したのを良いことに、沢の中州で休憩しながら靴やスパッツ、手袋を綺麗に洗い、ようやく人心地を取り戻した。

帰りのバンで、宿の主が運転しながらいろいろ説明をしてくれる。朝、美しさに息を飲んだ沢は「中ノ岐川二岐沢」と言い、深田久弥平ヶ岳を登る際に入った沢だそうだ。大きな一枚岩の上を水が流れる景色を見ていると、沢登りが好きな人の気持ちも分かる気がした。
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それにしても、急登の先にあんな大らかな平原が広がっているとは・・。頭で事前に理解しているのと、実際に目にするのとでは大違い。これだから山は面白い。

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