ヨーロッパ遠征中間報告3 コルティナ最難関のヴィア・フェラータ ”SCI Club 18”
ドロミテ最終日は、ファローリア山の”SCI Club 18”と言う、コルティナでは最も難度の高いヴィア・フェラータのルートに挑戦。
朝起きると朝日が差し込み、幸先が良い。
リフトは利用せず宿から徒歩で取り付きまで移動し、クライミングシューズに履き替える。
岩に埋め込まれた鉄の”コ”の字型ステップで、まずは壁を垂直に登り始める。
手に頼りすぎると後半もたないので、なるべく足で立ち込む。岩は滑りにくく、クライミングシューズ
効果もあって、登り難くは無いが、体が空中に押し出されるような高度感は相当なものだ。
ワイヤーとカラビナが精神安定剤にはなるが、万が一落ちてしまうと、気持ちのダメージは半端無いはず。リーダーの声掛けに気引き締めつつ、丁寧に、安全に、ひたすら登る。
ところどころのオーバーハングには苦労させられる。思いきりワイヤーに頼り、フリクションを信じて岩に乗り込む。
約2時間の格闘で、ドロミテ初日に訪れ、見下ろした最終点にたどり着いた。
安堵感が押し寄せ、次いで疲労感と空腹感が追いついてきた。
ロープクライミングでは、今の自分のレベルでは到底登ることの敵わない岩登りだった。ヴィア・フェラータと言う、ワイヤーを頼ってこそ可能となった登頂だが、それでも、自分の手足で登り切ったことに心から満足する。
ホテルに戻り、シャワーを済ませてから、山々を見渡すオープン スペースで飲むビールのおいしかったこと!こんな風景、こんな開放感は、日本には無いものだ。
ドロミテ最後の一日。
リーダーと、一緒に登ってくれた仲間に感謝。