Climb every mountain

大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

元祖ナチュラル&シンプル ライフ 「長い冬」 ローラ・インガルス・ワイルダー

ふと図書館で目に留まり、久しぶりに「長い冬」を読んでみる。悪天候による、またもやの登山中止で ため息な気分だったのが、この本のおかげでなんだか浄化された気持ち。
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(「長い冬」 ローラ・インガルス・ワイルダー作 谷口由美子訳 ガース・ウィリアムス挿絵、岩波少年文庫 2000年発行)

ローラ・インガルス・ワイルダー、または「大草原の小さな家」と聞くと、ある年齢層のひとは懐かしく思うのではないだろうか。19世紀末の西部開拓時代のアメリカ・ミネソタに住む、インガルス一家の日々を描いたファミリードラマで、日本では昭和50年頃からNHKで放映が開始された。当時、演じる俳優や子役たち共にストーリーが成長していくTVドラマは珍しく、大自然の描写や海外に対する憧れも交え、長年のファンを生み出すことになったシリーズだ(本国アメリカでは10年近くに渡って放映)。
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(C) 1974/1975 NBC Studios, Inc.


このドラマに魅了され、子どものころは児童文学のシリーズを読み漁った。力強い父と、明るく賢明な母の愛情をのもとで、子どもたちは素晴しい、そして時に過酷な大自然の恵みを受けて育っていく。

この「長い冬」はちょうどシリーズ中間の一冊。
語られる、数十年に一度の厳しく長い冬と猛吹雪の様子や、家族で力を合わせて闘っていくエピソードに、息もつかずに読み通した。
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(厳しい冬の予兆。嵐のあと、頭が氷と雪で地面に凍り付いてしまった牛)


子どものころは、主人公である幼いローラに感情移入して読んでいたのだと思う。
今、久しぶりに読み返してみると、心にせまってくるのは4人の娘たちを守りつつ、導き育てようとする、父さんと母さんの存在だ。

物質的に豊かと言えなくとも、精神はいつもほがらかで前向きな父さんと母さん。当時の年齢で30代(今で言う40代くらい)と思われるふたりは、肉体的にも精神的にもやわらかく、くじけやすい子どもたちを、労り励ましながら正しい高みに導こうとする。そこにあるのは、次世代に繋げようという強いDNAと、何よりも強い「愛情」、なんだろうね。

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(雪で汽車が不通になり、人々の食料も石炭も尽きかける。干し草を固く撚り燃料にする父を手伝うローラ)

厳冬と物資不足に苦しみながら、妻と娘、家屋や家畜を守ろうとする父さん。父さんの苦労を受け止めながら、娘たちを励まし、英知を尽くして家族を温める母さん。ひとつとして無駄がなく、美しい生活の知恵がそこにはある。

まあ、この「長い冬」は、”美しい生活の知恵”なんてとても言えないくらい困窮してしまうつらいシーズンなのだが、根底に流れる、物を粗末にせずに最大限に活かすという精神は、現代人にはまぶしく感じられそう。
自然に添り寄って、与えられた物質を最大限活かす生活と工夫は、まさにナチュラル ライフ、そしてシンプル ライフだよね。



はあー、それにしてもゆるゆるでグデグデな自分の生活、「父さん」、「母さん」にも、「ローラ」にも、とてもお見せできませんです・・・



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