「預言者」 The Prophet カリール・ジブラン
カリール・ジブランの「預言者」を久しぶりに手に取る。(1984年 至光社 佐久間彪訳)
愛は愛自身のほか何も与えることなく、愛自らしか受けることがない。
愛は所有せず、また所有させない。
愛は愛だけで十分なのだから。
愛しているとき、神が私の心のなかに、と言わないように。言うならばむしろ、私が神の心のなかに、と。
思ってもならない。あなたがたが愛の歩みを導けるなどと。なぜなら、愛こそがあなたがたの歩みを導く。もし、あなたがたにその価値があると見れば。
愛の望みはただひとつ。愛自身を満たすことです。
「愛について」より
レバノンの詩人、カリール・ジブランが「預言者」の草稿をアラビア語で書き記したのが1898年だという。100年以上前に生まれたこの著書は世界30ヶ国以上で翻訳されている。
自分がはじめてその名を聞いたのは、学生の頃だった。文学者であり精神世界に造形の深い教授が、授業の中でこの一節を朗読してくれたのだった。磨き抜かれてさらさらになったような言葉と、その響き。叡知に聴き入ったのを覚えている。
その後も、預言者からの一節が、小説の中に、ロックスターの言葉の中に、映画の一場面に時々登場するのを知り、この著書が深く根付いているのを実感する。
(自分の感覚では、日本人におけるアメニモマケズ、のような浸透性)
先日、何気なく読んでいたエッセイに預言者が登場し、久しぶりに頁を繰ってみた。
時々帰ってきては、心を休める。
本はそんな心の拠り所になりうる場所。
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