Climb every mountain

大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

80歳が車を手放す

田舎の母が車を手放すことになった。齢80歳である。

初期認知症の治療を始めた1年前から家族の反対が強くなり、車に乗るのは近くのスーパーや友人訪問くらいになっていた。世間でも高齢者の車事故が多発し、免許の返納タイミングが議論されていた頃だ。


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(敬愛する新宿・初台「あうん」のきりたんぽ鍋。いつ訪れても暖かい。ありがとうございます。)


母は数年前、自分の運転する車で単独事故を起こしたことがある。月一回通っていた病院からの帰り道で、気がついたら電柱にぶつかっていた。前日あった町内会の旅行疲れから来る居眠り運転だったようだ。車は廃車、本人も軽い怪我を負う。酷く落ち込み、車は手放し、免許は返納すると決意した。

しかし、車の無い生活は予想以上に大変だ。
一番近いスーパーまで老人の足では30分以上かかる。町内の集まりや友人宅を訪ねるにも誰かの車に乗せてもらわなければならない。バスはとうに廃止されているし、タクシーも限られる、もちろんお金もかかる。何しろ、ひとり一台車を持つ地域柄なのだ(実家には兄弟の家族のものも含め、生活している成人分・4台の車がある)。
悩んだあげく、車生活を続けることにする。本人も家族も許容できる近距離の運転に限定。



そこから数年。
本人の判断で、運転免許返納を決めてくれてほんとうに良かった。被害者になるのはもちろんだけれど、事故の加害者になるような事態は避けなくてならない。


しかし同時に、その失望は想像できる。

ちょっと出かけて友人と会う。
ちょっと出かけて買い物をする。
そんなことも自分の意志だけでは出来なくなる。それは自尊心のあるふつうの人間にとって、辛い選択だ。


今回、それらを手放した母を見守りながら、自分がその立場だったらどうするだろう、その立場のひとにとって、何ができるんだろうと考えている。


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