Climb every mountain

大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

安田靫彦展 

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竹橋にある東京国立近代美術館に「安田靫彦」展を見に行く。
歴史上の人物や場面を書いた名作の数々で知られる日本画家、1884-1978年。
切手にもなった「飛鳥の春の額田大」などでご存知の人も多いのではないだろうか。

40年ぶりの美術展ということで、15歳の時の作品から絶筆の富士山まで取り揃えられ、ひじょうに見応えがあった。
10代の作品がすでに絵として完成されているのに対し、そこから熟年期の60代くらいまでにかけては、絵がだんだんシンプルに、研ぎ澄まされていく。透明感のある色彩は見ているだけで喜びがあふれくる。明治の時代から、戦時下を経て、90歳過ぎまでたゆまず絵に向かい合ってきた作家ならではの、豊かな作品の数々だった。

『雷神風神』の風神さまが、こどものような無邪気な表情でほほえましい。
大作の『黄瀬川陣』は、代表作のひとつにふさわしい、豪華さ、ち密さ。それでいて抜け感のある空気が素晴らしかった。

それにしても40年ぶりの展覧会か・・。
もう自分が次の個展を見られる可能性は、ほぼ無い。そう思うと、「見てみたい」と思ったものは、どんどん見に行かなくてはという気持ちが強くなる。
もちろん、見るものだけでなく、すべてにおいて同じことが言えるわけだ。

美術を堪能したあとは、神保町の「マンダラ」でインドカリー ランチ。
つきあってくれた友人は、絵を見ながら山岸涼子を思い出したそうだ。自分も『日出処の天使』が思い浮かんだので、うん、まさに!と嬉しくなった。
うららかに晴れたよい一日だった。