初秋の空気 西沢渓谷・滝を巡るハイキング
台風の合い間を縫って、奥秩父の西沢渓谷にハイキング。
新緑と紅葉の頃はたいへん混雑する人気スポットだが、夏の終わりのこの時期はゆっくりとハイキングを楽しめる。
下界は蒸し暑い朝だったけれど、西沢渓谷の登山口(1,110m)の風は爽やかですっかり秋の風情だ。反時計回りの周回コースは車道から次第に山道へ変わっていくが、しっかり整備されているのがありがたい。沢沿いのゆるやかな坂道は、さらに濡れた岩や苔のついた道になっていく。軽装の観光客も多いが、靴はスニーカーでなく軽登山靴の方が安心して歩ける。
三重ノ滝、フグ岩、竜神ノ滝、恋糸ノ滝・・、美しい滝や奇岩がつぎつぎと現れ、歓声があがる。水は綺麗な碧がかった水色。鉱物が多く含まれるためだそうだ。
圧巻は七ツ釜五段ノ滝。7つの釜(大きな水溜まり)は一枚岩でできていて、激しく落下する滝のしぶき、淡いコバルトブルー、釜岩の明るい色と相まって、思わず見とれる美しさだ。この名所を越え、黒金山分岐までの急登をがんばれば、あとは登山口までの道をゆるやかに下るだけ。周回で約4時間ほどだ。
久しぶりの西沢渓谷で緑と滝のシンフォニーを楽しんだ。
樹々の中を歩くのはいつでも気持ちの良いものだけれど、あふれるような水はさらに、清涼な生命力を与えてくれる。
混むのは必至だけれど、今度は紅葉シーズンに再訪してみようか・・。あの淡いコバルトブルーにモミジの紅色が加わったらどんなだろう、とわくわくしてくる。