なつかしくあたたかい気持ち ちひろ美術館・東京
寒い一日。東京 石神井にある「ちひろ美術館・東京」へ。
(「ゆきのひのたんじょうび」 HPよりお借りしました)
いわさきちひろの絵を見ると、そのたびに、子ども時代を思いしみじみとした気持ちになる。あの頃はしあわせだったんだな、という気づき。そして、そこはかとない郷愁。
もちろん、子どもの頃だっていつも楽しく過ごしたわけではない。世界中の不幸を背負っているかのように落ち込んだり、泣いたりしていたはずだし、今、そこに戻ってやり直したいとも思わない。ただ、周りの愛情をあたりまえのように受けとって暮らしていた日々を、得難いなぁ、と感じるのだ。
東京のちひろ美術館は初めての訪問。小さな建物だが、木をふんだんに使い、穏やかで気持ちの良い空間にちひろの絵がたくさん飾られている。こどもたちの、まさに語り出しそうな、泣き出しそうな、踊り出しそうな情景。何度も足を止めて見入ってしまう。
もうひとつの目的が、赤羽末吉の展示会。
(赤羽末吉 「スーホの白い馬」 HPよりお借りしました)
閉館間際の展示室をひとり占めして原画の持つパワーを堪能する。木の椅子に腰かけてゆっくりと絵本のページを繰ると、スーホと白い馬のそれぞれ気持ちが伝わって来て、目頭が熱くなる。
見渡せば、こどもの頃に大好きだった本がたくさん展示されている。ああ、この本も、あの本も、このひとの絵で読んだのだった。
短い時間だったけれど、観に来ることができて正解。
しあわせな午後になった。