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大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

次世代にバトンを渡す重責 能楽師和泉流狂言方 野村家の「三番叟」披き

12月22日 朝日新聞の夕刊に狂言界の喜ばしいニュースが掲載されていた。

飛躍へ、次代の「三番叟」 めでたさにわく狂言

狂言師にとって「三番叟(さんばそう)」を披(ひら)くことは、修業の大きな節目だ。能楽師和泉流狂言方野村万蔵家の重要な名跡である野村万之丞(まんのじょう)を六世として襲名する野村虎之介(20)と、能楽師和泉流狂言方野村萬斎の長男裕基(ゆうき)(17)。来年1月、若手2人が相次いで東京・千駄ケ谷国立能楽堂で挑む。めでたさにわく狂言界だ。

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「三番叟」は、能楽の中で最も神聖視される祝言曲「翁」の一部で、若手の通過儀礼のような演目であるらしい。

残念ながら自分はまだ観たことがないのだが、NHK『プロフェッショナル』で、野村萬斎さんが三番叟を披いた際の映像は記憶に残っている。面をつけない「直面(ひためん)」で掛け声をかけながら足拍子を踏んで躍動的に舞う姿は、それまで見たことのある狂言とはまた別の迫力だった。萬斎さんの、自分の体の中に埋め込まれた能楽の遺伝子に突き動かされるように舞った、というコメントも興味深かった。


先日、武蔵野大学能楽センターで人間国宝 野村萬さんのお話を伺う機会があった。
野村萬さんは野村万作さんの兄で、野村万蔵さんの父、野村萬斎さんの伯父にあたる)

その中で、「伝統というものは子が親を越えていかなければ意味がない。そうでなければ残っていけないのです」と話されていたのが強く心に残った。自分が教わったすべてを子に与え、さらにその上を行けと鍛え続ける。芸とはかくも厳しいものなのか・・。


それにしても野村結基くんも、もう17歳。
萬斎さんは、まだ子供だった結基くんに「なぜ僕は能楽をやらなくてはならないの?」と聞かれ、答えが見つからなかったそうだ。
次世代にバトンを渡すことができて、一番嬉しいのは彼かもしれないね。



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