Climb every mountain

大自然の中にいるのがいちばん落ち着きます。40代後半からセミリタイヤ&節約生活をスタート、毎週のようにお山に登っています。

ヨーロッパ アルプス最高峰、モンブラン(4810m)に登る   7.初日はグーテ小屋まで

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モンブラン登山の初日は、シャモニーの街中からバス、ケーブルカー、トラムウェイを乗り継いで登山口のニデーグル(Nid D'aigle )へ。そこから歩き出し、高低差約1,400m地点にあるグーテ小屋(Refuge du Gouter)を目指す。
annee.hatenadiary.com

始発から2本目のバス便に乗り込み、Bellevueへ。ここでBellevue Cable Carに乗り換える。降りてすぐそばにあるTramway Du Mont-brancのBellevue駅から終着駅のNid D'aigle(2,380m)へ。トラムの車窓越しに山と氷河が近づいてくる。
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本気のアルパイン クライマー、軽装の観光客、大人も子どもも皆、壮大な眺望に見入っている。大きな自然の前では、誰もが等しくひとりの人間だ。

駅に到着するとパーティ毎にさあっと散って歩き出しとなる。ガレ岩場を蛇行しながらゆっくり登る。遠く、昨日乗ったエギュイ・デュ・ミディのロープウェイが動いているのが見える。

2時間程でテート・ルース小屋との分岐地点に到着、雪渓歩きのためアイゼンを装着する。雪面をジグザグに登り、悪名高いク―ロワールの取りつき地点だ。今年は雪が少なく、ク―ロワールも岩が完全に露出しており、アイゼンを外す。距離にしてほんの2-30mのトラバースなのだが、例年落石による死者も出ている危険な場所だ。メンバーでお互いにウォッチして落石を警戒し、一気に走って通り過ぎる。自分達パーティが過ぎた後にもガラガラと大きな落石が続き、まずは往路をやり過ごせたことにほっとする。
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ここからの岩稜帯は手をつかっての岩登りになる。ところどころにワイヤが設置されているが、雪が無いのに加えドロミテのヴィア・フェラータ経験が役立ち、苦にならない。はじめは簡易ハーネスからスリングで繋いだカラビナを一々かけていたが、途中からは見送り(自己責任です)。高度が上げていくうちにだんだんガスが濃く、残雪量も増えてきた。
メンバーに体調不良者が出て、かなりゆっくりペースの登りになる。自身も体調には不安があったが、このスローペースのおかげで、過度の負担をかけずに歩くことができた。
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歩き出して6時間程、行く手上方に建物の影が見え、やった、グーテ小屋か、と思ったが、人気が無い。第一、シルエットもあの有名な円形の未来的なものではないし・・。

冬期避難小屋のようなので、そのまま進んで稜線に出るが、真っ白にホワイトアウトしている。踏み跡は一方向にしか付いていないので、小屋はこの先にあるはずだが、何しろ視界が無く、稜線は切れ落ちたナイフリッジ状態だ。風に吹かれて体もあっと言う間に冷えてくる。アイゼンを再装着して稜線を進むが、視界が無いままで不安になる。もう一度避難小屋まで戻り、小屋の陰で風を避けながら地図とGPSを確認する。日本で使用するような地形図は入手できなかったのでネットで探した地図だが、避難小屋の情報は一切ない。逡巡するうちに体が冷えてくる。やはり進むしかないと稜線に戻り、眼を凝らしながら歩くこと3分程、あの独特な小屋のシルエットが見えてきた時は安堵のため息が出た。
(注: 後にこの冬期避難小屋は旧グーテ小屋と判明。新グーテ小屋は旧グーテ小屋から少し離れた岩壁に乗り出すようにして建てられている。視界があれば岩登り中も新グーテ小屋がしっかり見える)
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2013年に改装されたグーテ小屋(3,817m)は、外側はSF映画に出て来そうなシルバーの球形、内側は木をふんだんに使用した造りで、新しく気持ちが良い。
受付で部屋とベッドの指定、夕・朝の食事時間を確認すると、後は自由時間。
部屋には2段ベッドがずらりと並び、各自のスペースが守られる構造になっている。簡単に身支度を整えると、食堂に降りて暖かい飲み物を摂りながらリラックスした。既にかなりの高所であるため、なるべく起きていて体を慣らした方が良い。
(注:横になって寝てしまうと、呼吸数が減って高山病になりやすいと言われている)
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夕食の時間になると、テーブル毎にパーティが割り当てられた。さすがのお国柄で、前菜のチーズから始まり、スープ、メイン、デザートと続く。もともと食事の好き嫌いはなく、いつでも何でも食べられるほうなので、同行メンバーが残したチーズも頂戴して、すべて美味しく完食する。
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それにしても、外国勢はみな背が高く、手足が長い。耐寒もめちゃくちゃ強そうだし(Tシャツ一枚のツワモノもいる)、みんなよく食べ、よくしゃべり・・。年齢的にも若そうで、おそらく30代から40代あたりが一番多いのではないだろうか。較べると日本人は体も小柄で、体力で伍していくのは容易ではないと感じる。

さて、明日の朝食時間は2時。
多くのパーティは3時までに出発するようだが、自分たちはその混雑をやり過ごし、3時半に落ち着いて歩き出すことにする。
2時に食事ということは1時半には起きて・・・、逆算して19時半には眠りにつく。

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